八十歳からのハイキング

辻村 高志
H氏のこと
 小生の山の先輩にH氏が居られる。大正八年生れ、八十六歳になられる。 山の大先輩として色々ご指導頂いてきたが、山のみならず、パソコンについてもメールで散々ご指導頂いてきた。
 現在、裾野市にお住まいだが、今でも時々メールで山のお話しを聞かせて頂いたり、友人と山に出かけて居られ、又私達グループの山行に元気に重いカメラを担いで参加されている。

 小生も八十歳になるが、七十歳台とは異なった、八十歳台らしい姿勢で山行ハイキングを続けてみたいと思っている。 
 その際、最初に目に浮かぶのはこのH氏のこと。H氏から教えていただいた事、学んだ事を反芻しながら八十歳台の山行ハイキングを続けて行きたいものと思っている。

私のハイキング

私は毎週1回はハイキングに出かける生活パターンをとっている。

町田ウオーキング協会のハイキングに月1回は参加。
近くの友人と作っている小さな山行サークル「あふり」での山行。
これも月1回、日帰りできる程度の近くの山々への山行ハイキングが主。
「町田グラウス山の会」の山行への参加。
この会はベテラン山行から小生程度の山行ハイキングまで色々の山行を数多く実施しているが、その中の小生の体力にバランスした低山山行に参加している。
その他、単独行ではあるが、「関東ふれあいの道」を歩いている。平成11年2月三浦半島の先端を出発、関東地方を一周して、今は成田空港の南を歩いているが、これも月1回は歩いている。知らない土地を地図と道標と勘を頼りに歩くのは、思いのほか頭の体操にもなっている。
その他、「セントラルパークのラジオ体操の会」の皆さんと楽しいハイキングに時々出かけている。

ハイキングで経験した事
一人歩き
 一人で歩かない様にはしているが、こんな事もありました。
平成11年6月「関東ふれあいのみち」、埼玉県No.2「奥武蔵の古刹を訪ねる道」を歩いた時のこと。小殿バス停から竹寺への山道を登っていた。小生の前を歩いて居られた60歳前後のご夫婦、大して狭くもない登山道でご婦人が突然、浮き石に足を滑らせ転落された。
 実際に転落を見たのは始めてであったが、本当に事故なぞ起こりえない様な山道で足を滑らせ、コロコロと10m以上も山の急斜面を転落されたのを見て、事故の恐ろしさを実感した。幸い途中の樹木に引っかかり気絶と軽傷で済んだのは幸いであった。
 気絶から覚めて真っ先に言われたことは「眼鏡がない、眼鏡を探して」だった、目の悪い方にとって眼鏡はハイキングでの絶対の必需品、強度な近眼の小生にとって身に沁みる言葉だった。
 この事以来、山道の一人歩きをしない事と眼鏡のリターナー使用は必ず守っている。
 雨に降られるとハイキングも台なし。ハイキング前日、午後5時以降の予報をよく見ているが、降雨率30%以上の時は中止している、まずこの基準で雨に遭うことはない。更に出発当日朝5時の天気予報を確認すれば絶対間違いない。
 しかし、平成17年2月の町田ウオーキング協会の「川崎の春、梅、鶯」ウオーキングは「曇り後晴れ」の天気予報だったので参加したが、お昼頃、王禅寺ふるさと公園近くを歩いていた時、小雨に降られ傘をさしてのウオーキングになった。
 当日の私の日記を見ると気象庁発表に対し散々な批判を書いている。
 如何なる晴の天気予報の時でも携帯傘1本は持参したいもの。
歩く速度
 山歩きでも、里山歩きでも、ある程度の距離は歩ける。でも加齢とともに若い方と異なってくるのは、歩く速度が遅くなってくる。自分では遅いとは思っていないが、町を歩いていても、山道を歩いていても若い方々に抜かれていく。無理をして若い方のグループに入って歩くと、自分が遅れるだけでなくグループ全体に迷惑をかけてしまう。
 友人の写真グループが山の写真を撮りに行った際、高齢の方が散々おくれ、グループ全体に迷惑をかけたことがある。
 撮影会終了後のアンケート調査に、「高齢者は山行テストをしてから参加させよ」と記載された方があったとの事。
 高齢になれば足は遅くなる。ユックリハイキングは高齢者の特性と考えて参加している。
 

楽しかったハイキング
セントラルパークラジオ体操の会
 ラジオ体操の会で時々ハイキングをしている。昨秋、新聞に「多摩一日の行楽」という紀行文紹介の掲載があったので取り寄せてみると萩原氏の写真と枝川氏の美文で、見ているだけで楽しい内容。
 アチラがいい、コチラがいいとの談笑の中で青梅線白丸駅から古里駅間、鳩ノ巣渓谷及び松ノ木尾根を歩こうとなり、昨年10月1日一行8名が白丸駅に下車した。


白丸駅裏にてラジオ体操の準備中場所は何処がいいかな?

子供に数馬の切り通しへ行く道をたずねている。
数馬の切り通しにて。

300年前、掘削機械の無い中で、よくも掘削したものと感心して。
数馬峡橋を渡って多摩川の右岸へ。
多摩川の右岸を歩く。

左側が白丸ダムの関係で湖水の様。
水しぶきを浴びながら鳩ノ巣渓谷美を堪能する。

この付近が巨岩・奇岩と水しぶきで渓谷美を形成している中心か。
渓谷美を眺めながら、足元に気を付けながら、ひたすら歩く。
鳩ノ巣小橋を渡って右側の「ギヤラリーぽっぽ」で
昼食。

渓谷に突き出したカウンターで大きな野菜丸煮のご馳走にビツクリ。
お昼をすませて、いざ松ノ木尾根へ。

先ほどの渓谷と異なり厳しい山道。

標高差100m急登を一気に登る
松ノ木尾根からの展望。
流石、苦労して登ってきただけの展望、しばし展望を眺めながら一休みする。
松ノ木尾根からの下り山道。

今日一番の難所。

慎重に慎重に下る。
ホタル橋にて。

ホタルが乱舞する頃又来たいなあ。
最後の寸庭橋から多摩川を眺める。

さようなら、多摩川よ。

ここから古里駅へ。

今回のハイキングはここで終り。

町田グラウス山の会
 今年の初め、新たに町田グラウス山の会に入会した。大きな山の会で会員が100名を超え、山行内容も小生クラスのハイキングから山スキー・沢登り・アルプス縦走・海外登山までこなすベテラン集団。
6月7日(日)、山中湖南側の大洞山(1383m)〜三国山(1320m)〜明神峠を歩いた。
 題目は「初夏の草花と樹木観察」、総勢12名が山の草花や樹木のベテランの方を中心に花の名前を覚えたり、樹木の特性を学びながら散策した。
 標高1300mクラスとはいえ、タクシーで登山口まで登るが、そこが1100m、実際の登るのは200〜300m程度、尾根縦走クラスの山行ハイキングだった。

 6月の緑滴る樹林の中を100種類以上の草木の名前を聞いたり、或いは花の名前を教えて貰い、ある時は小鳥や蝉の鳴き声から姿を求めて歩くのは、今までの眺望を楽しんだり、踏破の喜びを分かち合う喜びとは全く異なった楽しさがあった。
 しかし、草花にのみに拘っているのでなく、10時籠坂峠出発、ゴールの明神峠バス停到着16時、実歩いた時間は4時間30分、結構山道を歩いている。山道はスコリア(火山粒)で水はけがよく、滑らないため、楽しい山歩きを更に楽しくしてくれた。




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