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数野 博久
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3月9日(日)からの「菜の花羅平と石林、玉龍雪山大展望・麗江と大理の旅」は、最近人気の出てきたツアーである。
ヒマラヤは太古、海であった。インド大陸がユーラシア大陸にぶつかり潜り込み造山活動がはじまった。世界の屋根といわれ、8000m級の山が西から東へと連なっている。その東側の部分は横断山脈とよばれ、南方向に折れ曲がり、ミャンマー、ラオス、ベトナムと国境を接する雲南省を北から南へと徐々に低くなっていく。
雲南省は、北高南低(6740mの梅里雪山?プーアル市の329m)で、日本よりちょっと広く、95%が山地である。山間部には25の少数民族が点在していて、人口の3分の1が暮らしている。北部は高山地帯は亜寒帯性気候、南部の低地は亜熱帯性気候である。
バスからの景色は、赤い土、白い石、黄色い菜の花、緑の野菜と自然の姿を彩やかに展開してくれている。
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羅 平
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のどかな農村の人達 |
田螺のような菜の花畑まさに田園交響曲 |
雲南省の税の7割はタバコであるという。菜の花からは油が取れる。それが終わると煙草を植え、9月に収穫する。そのあとに菜の花の種をまく。この繰り返しである。
司馬遼太郎はその著‘中国・蜀と雲南のみち’の中で「貴州、四川、雲南のなどの山谷に古くから稲作に携わっている少数民族が日本稲作の祖であったことはまちがいない」といっている。
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昆 明
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登竜門
霧が垂直に立ち上る中上ってくる人たち |
雲南省で一番大きな昆明湖の2000mの切り立った崖に登竜門がある。 絶景の展望というが、凄い勢いで霧が立ち上ってきて、まったく見えない。
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癒される標高1000mの村 |
布依族の村を訪ねた。
景色、におい、雰囲気、なんとなく子ども帰りしたような懐かしい昔の頃が湧き上がってきた。
そして日本のルーツに触れたような気がした。
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神龍瀑 |
山を回りこむと九龍瀑布群にでる。
何と3㎞の間に大小10数段の瀧があり一番大きいのは、 神龍の滝(神龍瀑)で最大幅114m、高さ56mある。
この滝の上方に恋人の滝(情人瀑)という高さ43m、幅35mで、 2つに別れて落ちている雄雌滝がある。
金花銀瀑と羅平では称しているが、写真や絵や版画には実にもってこいの場所であることはまちがいない。これから日本の人がたくさん訪れると思われる。
2日にわたって滞在した。ことしは50年ぶりの寒波に襲われ、当初の菜の花はもう僅かという予告が、行ってみたら今が盛りと咲き誇っているという嬉しい番狂わせであった。
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石 林
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10メートルを越える石柱の林立と梅 |
石林は昆明の東100kmにある。
2億7千年前海の底であったところが地殻変動で隆起し、石灰岩からなる陸地となって、とくに300万年前の大地殻変動で石林のほか、砂林、土林もあり、長い間風化と侵食によりこのような姿になったといわれている。
毛沢東がつくったという「彝」字の少数民族、彝族の娘さんのガイドで大石林、小石林を巡り歩いた。
彝族はとても刺繍が上手いといわれているだけに衣装もきれいであった。
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麗 江
昨年につづいて2回目である。玉龍雪山にある氷河自然公園は世界最高地にある公園なので、ロープウエイで4506m頂上駅まであがる。当然、酸素ボンベイと防寒着はわたされる。頂上駅を出たら吹雪のようである。桟道を歩いていくと4556mの標識のある小屋があり、人生で一番最高地点に達したことを知った。そこから先は係の人がいて通れないので一巡りして駅の展望台に戻った。一年で一番シャッターチャンスのよいときに雪に降られるなんて、ついていない。
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雪雲に覆われた玉龍雪山 |
玉龍雪山の湧水の水路 |
麗江古城内でのナシ族の踊り |
麗江には3つの世界遺産がある。
1つは氷河自然公園(高山動物)や麗江花園(植物)等の世界自然遺産。
もう1つが、麗江古城(旧市街)の世界文化遺産。
そしてもう1つは、ナシ族によって使われている現存する世界唯一の象形文字で、世界記憶遺産である。
東巴博物館は黒龍澤のある玉泉公園の中にあり、ナシ族の先生が東巴文字で名前などを書いてくれる。白寿の「中尾」さんの文字を書き入れてもらった。
東巴文字を書き込む紙は沈丁花の木を手漉きしたもので、1500年はもつということ。
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大 理
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塔寺千尋塔後ろに雪の残る蒼山 |
初めに訪れた昆明が1900m、羅平が1400m、麗江が2400m、そしてこれから行く大理が2000m、のところにある。
大理は人口の半分近くがペー(白)族。西に東西約25km、南北約50kmあり、高さが3000~4000mの万年雪が残る20ちかい山を総称した蒼山がある。
麓に大理古城があり、東に雲南省第二の湖洱海がある風水に基づいた都、常春の地がある。
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一面黄色い菜の花畑に日が射すとやわらかな金色の輝きとなる。
その薫り、蜂の羽音、頬にふれる風、暖かい陽光まさに金花の里と化し、素晴らしい光景を目の当たりにして、日本のルーツを知る旅となった。 |
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