究極の国際交流?
孫の通うワシントンDCのナーサリー スクール(保育園)

渡辺 紀子
 娘家族に会いにワシントンDCに行くと、孫のさくらの保育園への送り迎えを娘に代わってすることがよくあります。
 さくらの行く保育園は、娘が働くワールドバンク(世界銀行)の職員の子供たちのためのもので、ワールドバンクのビルの2階にあり、3ヶ月から4歳までの約150名ほどの子供たちが通っています。

 場所はホワイトハウスのすぐ近くで、日本で言えば霞が関といったところでしょうか。専用のプレイグラウンドもあり、環境的には恵まれています。他方、費用も非常に高いのですが、このような施設があるおかげで、娘も働きながら2人目を産むことが出来ました。
保育園はこのビルの2階
 さくら(4歳)のクラスは15名です。親の国籍はワールドバンクの性格から多種多様で、メキシコ人が2人いる他は、皆な国籍が違います。加えて、両親が同じ国籍でない国際結婚の子供もいます。子供たちのほとんどがアメリカ生まれで、アメリカと親の国籍の二重国籍の子が多いです。




例えば、さくらが仲良くしているマヤちゃんの両親はパキスタン人、アミーナちゃんはソマリア人、アナスターシアちゃんはロシア人、イートンくんは父がドイツ人で母はアメリカ人、マナーが良くて女の子に人気のあるランジャくんはマダガスカル人、お誕生日のパーティーに私もいっしょに招かれたジョゼフくんはヨルダン人、一緒にスヌーピーの劇を見に行ったアグネスちゃんは母がラトビア人で父はスウェーデン人……といったようです。
 
消防署見学


 子供たちはそのような国籍の違いを全く意識していないようで、みんな仲良く、時にはけんかもして、日本人同士で遊ぶ日本の子供たちと変わりありません。

 先生の方も、クラスを仕切っている頼りになるカルメン先生はベネズエラ人、ステファニー先生はアメリカ国籍ですが8分の1は韓国人、助手のティラニー先生はスリランカ人といった具合です。

 保育の仕方でも、先生方は子供たちが積極的にインターナショナルな文化に触れるよう指導しています。


折り紙を折る子供たち 子供たちの作品
 
 私も、折り紙を教えてほしいといわれ、簡単なものを子供たちと一緒に折りました。上手に折れる子、なかなかできない子もいましたが、みんな興味を持ってくれました。
 そのとき持っていったおせんべいも喜んで食べてくれる子供が多く、海苔のついたおせんべいを「すし」のようだといってはしゃぐ子もいました

 また、請われて「こんにちは」「ありがとう」など簡単な日本語を子供たちに教えましたが、他の外国語についても同じように、機会をとらえては教えているようです。
 このような程度にまでインターナショナルな保育園は例外でしょうが、日本に住む外国の方も増えてきていますし、海外に住む日本人も増えていますので、こうした国際的な環境で育つ子供たちも多くなっていると思います。小さいときから無意識のままに国際交流の中で育って、人種的偏見や差別をもたない人が増えていったらいいですね。

 日本生まれ、日本育ちの私とはもちろん、幼稚園、小学校の殆どを海外で過ごした息子、娘とも、一味も二味も違う環境で育つ孫たちがどのように成長していくのか楽しみでもあり、不安でもあります。