辻村 高志
(ことはじめ)

随分前のこと、貧弱な身体を見て、医者から薬を飲むより太極拳をしなさいと薦められた。

変わった医者だなあと思いながら始めたのが、
この太極拳。          古希の年のこと。

週1回、教室に通って「太極拳を覚えよう」と励んだが、年はとっているし、生まれつきの不器用、何時まで経っても全然覚えられない。

ならばとセントラルパークの隅っこの隅っこで、人目を避けて、朝早くコッソリと練習に励んだのが十年前か。      


いかに不器用な人間でも、毎朝練習していると、次第に覚えてくる、それに顔見知りができてくる。ウオーキンなさる方、犬の散歩なさる方と挨拶を交わしながら友達と太極拳をする。

最近は次第に厚かましくなり、公園の隅っこから真ん中に出てきてやっている。


(最近のこと)

朝、六時、長津田の方から鐘の音ガゴーンと聞こえてくる。これが開始の合図の音。面白いもので、鐘が良く聞こえる日、微かに聞こえる日、様々。それに連れてか、起きたばかりの身体も様々、夜更かしした翌日は身体が重たい。

「健康のために」始めた太極拳だか、よくぞここ迄続いたもの。

続いたといっても、チョイチョイお休みする。山行で週一回はお休み、雨が降ればお休み。
でも、今は「楽しみの太極拳」になってきた。五時過ぎになると、トビ起きてパークに通い、友達数人と太極拳を演じている。


(真冬のこと)

朝六時、真っ暗、思い切り身体を伸ばして太極拳をしている。
中天を見上げると星が輝いている。名前は知らないがあちらの星、こちらの星が輝いている。

誰が何処にいるかも判らない、樹間に街灯がポツン、ポツンと輝いている。
次第に明るくなり人影もはっきりしてくると、ラジオ体操が始まる。



(これからのこと)


ユックリとノンビリと続けよう。
気張らずに、楽しんで続けよう。

「太極拳に身をまかせて」続けよう。


        
             一緒になさる方をお待ちしております。







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